災害の概要

• 場所　紀伊半島（三重、奈良、和歌山３県）中心
• 時期　2011年9月3日に上陸した台風のもたらした、1日から4日にかけての雨による災害。
• 分類　台風による洪水、土砂災害

　平成23年9月3日に四国に上陸した大型で強い台風12号は、8月30日から紀伊半島を中心に広い範囲で大雨をもたらし、土砂崩れ、浸水、海難事故等の被害を起こした。全国で平成になってからの風水害では最大の死者68名、行方不明者25名の被害が出た他、道路やライフラインが寸断された。

被害の状況

水道が受けた被害

• 浄水場・取水施設浸水（紀宝町・度会町・那智勝浦町・日高川町）
• 濁水により浄水不能（田辺市）
• 取水管破損により取水不能（熊野市・尾鷲市）
• 崩落による浄水場の被害（新宮市）や配水管破損（田辺市・御浜町など多数）
• 水管橋流失（津市）
• 停電による施設停止（津市・熊野市）

水道による二次被害

• 新宮市で、むき出しになった水道管の補修に出た消防団員が、川に転落して死亡。

対応と対策

平時の備え

• 雨の多い地域であるが、今回の雨量は想定外。自家発電機など、非常用の設備が機能したところもある。
• 自衛隊は防災業務計画を定めていて、今回、早い対応を行っている。。

応急対策

• 取水ポンプが浸水等で破損したところは、別の場所に仮設ポンプを設置して、応急給水。
• 1日から3日にかけて、災害対策本部設置。自衛隊に災害派遣要請。
• 湧水を消防ポンプでくみ上げて、飲み水を確保。

抜本対策

• 田辺市では山間部で湧水を消防ポンプでくみ上げて、飲み水を確保するのが有効であったので、消防用ホースの備蓄を増やす。

教訓

• 早めに災害対策本部を設置し、他の事業体への応援要請や自衛隊災害派遣要請をしたのがよかったが、土砂崩れによる道路寸断で迂回しないといけないところや、給水活動がヘリで運んで、崩れたところは徒歩で運んだところも。復旧にも支障。

災害データベース

• 災害の概要
• 被害の状況
• 対応と対策

備考・出典

• 事故事例データベースに記載。詳細レポートのお問い合わせはこちらへ。

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更新履歴

• 120618　更新。